2017.12.15

【VOL.15】
まさに西洋の宮殿!ここは本当に日本!?
国宝「迎賓館赤坂離宮」本館のスゴすぎる理由(後編)

現在、テレビなどで「日本人なら一度は見ておくべき」と、大きな話題になっている迎賓館赤坂離宮。多くの人々が見学に訪れる理由とは、果たして何なのでしょうか?

前編では、黄金の装飾が眩しい「彩鸞の間」や、何気なく国宝級の美術品が並び、豪華すぎて食堂とは思えない「花鳥の間」を紹介。

後編は、賓客をもてなす数々の仕掛けが隠された「正面玄関ホール」「2階大ホール・小ホール」、舞踏会を開くために造られた部屋なのに、なぜか実際には開かれたことがない(!)という「羽衣の間」をご紹介します。

演出が盛りだくさんの「正面玄関ホール」と「2階大ホール・小ホール」

通常は一般公開されておらず、“12月の特別参観”でのみ開放され、参観者が入場することができる「正面玄関ホール」。普段は国賓クラスの人しか通ることのできない超貴重なエリアです。正面玄関から続く「2階大ホール・小ホール」も含め、迎賓館に招かれた人が最初に通るこの場所には、賓客をもてなす秘密の仕掛けがたくさん!

「正面玄関ホール」で絶対に外せない見どころ

あなたは見つけられる? 西洋風の扉に隠された日本を象徴する2つの紋章

玄関には、西洋風の美しい装飾がデザインされた扉が。これは明治時代にフランスのシュワルツ・ミュラー社という会社で製作されたものだそう。

と、よくよく見ると、上部には皇室の家紋である「菊の御紋」が! さらに、その下の紋章も見たことがあると思っていると……なんとこれは、一説によれば平安時代の嵯峨天皇の頃から使われているといわれる「五七の桐」という日本政府の紋章!

西洋風のデザインに馴染み、ぱっと見ただけではわからないので見逃さないよう要注意!

「2階大ホール・小ホール」で絶対に外せない見どころ

「朝日」と「夕日」、2枚の絵画には訪れた人をもてなす秘密の演出が!

天井近く、向かい合うように描かれた朝日と夕日の様子を描いた2枚の風景画。どちらもフランス製だというこの絵画には、ある演出が隠されています。わかりますか?

それは、中央階段から2階へ向かう際には朝日の絵が、2階から正面玄関から向かう際には、夕日の絵が目につくように配置されていること。つまり、朝日の絵で出迎え、夕日の絵で見送るという趣向の凝った演出となっているのです。

豪華絢爛な装飾に満ちた空間に、こんな細やかな気遣い。必見です。

舞踏会(!)をするために作られた「羽衣の間」

出典:内閣府迎賓館

舞踏会を行う部屋として造られたという「羽衣の間」。舞踏会用と言われてもイメージが湧きませんが、なんと、室内にもかかわらず、2階建てのバルコニーを発見!

これはオーケストラが舞踏会用の音楽を演奏するために作られた空間だそう。

ただし、部屋の完成当時は、すでに舞踏会を開くような時代ではなかったらしく、現在まで1度も舞踏会は開かれていないそう。

「羽衣の間」で絶対に外せない見どころ①

楽しい雰囲気が伝わってくる巨大な天井絵画……主役はあなた!?

建物の中庭から空を見上げたような景色を描いたフランス製の天井絵画

これは、「虚空に花降り音楽聞こえ。霊香(れいきょう)四方(よも)に薫(くん)ず」という日本の謡曲「羽衣」の一節を描いたもの。お香が焚かれ、色鮮やかな花びらが舞う様子で、なんとも楽しげな雰囲気です。ただし、なぜか天女が1人も描かれていません。

実はこの絵にも、「主役はここで舞うあなた!」という意味が隠されているそう。ぜひこの部屋に来たら、心の中で踊ってみてください。主役の天女として、もてなされているような気持ちになれるはず!

「羽衣の間」で絶対に外せない見どころ②

迎賓館で最も大きいシャンデリアをよく見ると、たくさんのかわいいモチーフが

高さがなんと約3m、重さが約800㎏、電球が84個もついている迎賓館で最も大きなフランス製シャンデリアにも注目。

楽器や鈴など、舞踏会にふさわしいポップな装飾がたくさん。そして、よ〜く見ると、かわいらしい仮面のモチーフを発見。かなりわかりにくいですが、見つけたら幸運がありそう! ぜひ探してみてください。

/ よく見ると仮面が!? \

超感動! ライトアップされた迎賓館にため息

最後は、“12月の特別参観”で行われる迎賓館のライトアップを見学。澄んだ空気の中で眺める迎賓館は、本当に中世ヨーロッパに来たかのよう。

豪華絢爛、ヨーロッパ風の装飾に満ちた迎賓館。でもよく見ると、数多くの日本らしい細やかな心遣いが隠されていました。

海外の文化を取り入れつつ、日本の文化をうまく織り交ぜたハイブリットな演出で訪れた人をもてなす。この精神こそが、「日本人なら1度は見ておくべき」理由なのかもしれませんね。

迎賓館赤坂離宮

  • 東京都港区元赤坂2-1-1
  • 〈アクセス〉
  • JR中央線・総武線「四ッ谷」駅下車、赤坂口より徒歩約7分
  • 東京メトロ丸ノ内線「四ッ谷」駅下車、1番出口より徒歩約7分
  • 東京メトロ南北線「四ッ谷」駅下車、2番出口より徒歩約7分

12/22(金)〜12/24(土)の3日間限定で「迎賓館特別参観」を実施します。

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