【人生100年時代コラム VOL.01】漠然とした老後の不安は、書くことで整理できます!

エンディングノートの書き方のポイントと心得を徹底解説

2018/08/22

エンディングノートの書き方のポイントと心得を徹底解説

万が一の場合に備え、自分の葬儀や介護などの希望について書き留めておくエンディングノート。家族や周囲の人に思いを伝えるのに役立つとともに、書くことで気持ちがすっきり整理され、これからの生き方を考える良いきっかけにもなるといいます。書き方のポイントや心得をご紹介します。

  • 重病になったら告知してほしい?どんなお葬式がいい?どこのお墓に入る?

    ――こうした希望を一つひとつ書き込んでいくエンディングノート。

    「誰でも突然の病気や事故で亡くなったり、意思疎通が難しい状態になる可能性があります。もしものとき、自分の思いや希望を周囲に伝えるためにノートは大事な手段になります」と話すのは、葬送や介護に関する情報提供や相談などを行っているNPO法人「ライフ・アンド・エンディングセンター(LEC)」理事長の須齋美智子さんです。

    『もしもノート®』(497円 )問い合わせは電話048-856-5673
    『もしもノート®』(497円 )。
    問い合わせはLEC
    電話048-856-5673
    (撮影=石野明子)
    (撮影=石野明子)
  • 最後まで自分らしく生きるためにやっておくべきこと

    最後まで自分らしく生きるためにやっておくべきこと

    2004年にLECが会員向けに作った『もしもノート®』は、口コミなどで会員以外にも広まって、これまで25万冊(2018年)を売り上げる異例のロングセラーになっています。 ノートが支持される理由について、須齋さんは「最期まで自分らしく生きたいと願う人達が、ノートの必要性を強く感じているのでは」と話します。

    現在、『もしもノート®』のほかにもたくさんのエンディングノートが市販されています。ノートの中身には多少違いがありますが、自分のプロフィールから始まって、親類や知人の連絡先、財産の状況、そして医療、介護、葬儀、お墓の希望と続き、最後に相続の希望や残された人へのメッセージなどを書けるようになっているのが一般的です。

    「よくエンディングノートを買ってきて、机にしまい込んでいる人がいますが、それではお守りにもなりません(笑)。どこでもいいので書けるところから埋めていくことが大切です。一度に全部書かなくていいし、自分にとって必要のない項目は空白のままでいいんですよ」と須齋さん。

    実際に書いた人からは、「漠然とした不安が消え、気持ちが晴れた」「頭の中が整理できた」「家族に対し責任を果たせてすっきりした」という声が寄せられているそうです

    なお、エンディングノートには遺言書のような決まった形式はなく、「普通のノートに好きなように書いてもらって構わない」と言います。ただしその場合は、大事な項目が漏れないように注意しましょう。

    もしもノート

    ※ライフ・アンド・エンディングセンター『もしもノート®』から主な記入項目を抜粋して作成

  • エンディングノートは、できれば夫婦や家族で話し合って書いて内容を共有したい

    エンディングノートは、できれば夫婦や家族で話し合って書いて内容を共有したい

    いざエンディングノートを書くとなると、自分のプロフィールなどは気楽にかけても、医療や葬儀の希望など重いテーマでは、なかなか筆が進まないかもしれません。そこで「できれば夫婦や家族で話し合って書いてほしい」と須齋さんはアドバイスをします。

    「終末期の医療や葬儀などの話は“縁起でもない”とされ、家族でも話題にしづらいもの。それがノートをきっかけに『今まで口にできなかったことをじっくり話し合えた』という声がよく聞かれます」

    また、たとえ日頃から「葬儀はお金をかけず、簡素にしよう」と夫婦で話していても、紙に具体的に書いておかないと、一方が亡くなったとき、ほかのきょうだいや親戚から「従来通りの葬式でないとだめだ」と反対され、もめごとになる可能性も。「ノートを書くことは、いさかいから家族を守ることにもつながる」と須齋さんは言います。

    ただ、ノートに書いたことは希望にすぎず、法的拘束力はありません。特に遺産相続について希望があれば、別に遺言書の作成が必要です。

  • 遺言書とエンディングノートはどう違う?

    遺言書
    • ・法的な拘束力がある
    • ・あくまで死後に効力を発揮する
    • ・作成方法や保管方法に決まりがある
    • ・内容は基本的に遺産相続のことが中心
    エンデイングノート
    • ・法的な拘束力はない
    • ・介護や医療の希望など生前から役立つ
    • ・作成方法や保管方法に决まりはなく自由
    • ・葬儀やお墓の希望.家族ヘのメツセージなど
    • ・幅広く自分の思いを書ける
  • ひとり暮らしの人こそエンディングノートを書きましょう

    ひとり暮らしの人こそエンディングノートを書きましょう

    須齋さんは「ひとり暮らしが増えている今こそ、ノートの重要性が高まっている」と話します。

    「ひとり暮らしの人は、自分が判断できない状態になったとき、誰に判断を任せるかを 指定しておくことがとても大事です。頼れる親戚がいない場合は、日頃から信頼している相手と話し合い、その人に判断をゆだねる旨を記入しておきましょう」

    人生の締めくくりを考えながらノートを書くことは、自分の“今”を見つめ直すことにつながります。もしもに備え、今を安心して生きるために、まずはペンを動かしてみては?

すさい・みちこ 1933(昭和8)年生まれ。
95年、夫のがん発病をきっかけに葬送について学び、勉強会を開始。2000年NPO法人ライフ・アンド・エンディングセンターを設立。理事長に就任。04年、『もしもノート®』刊行。現在も葬送や介護などの勉強会を開催。

※この記事は、「いきいき(現ハルメク)」に掲載した記事を、再編集しています。
取材・文=五十嵐香奈 撮影=石野明子(人物)
コンテンツ提供:ハルメク

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