【人生100年時代コラム VOL.07】「うちは大丈夫」は「損」のはじまり

相続で損をする入り口は、あちこちにある。チェックリストで把握しよう!

2018/10/11

相続で損をする入り口は、あちこちにある。チェックリストで把握しよう!

実は、自分に関係ないと思っている人ほど遺産相続のトラブルに発展しやすいんです。トラブル回避のポイントを税理士の福田真弓さんが解説します。

アドバイザー

税理士/福田真弓(ふくだ・まゆみ)さん
相続税など資産税専門の税理士法人、証券会社に勤務後、独立。相続税・贈与税の税務申告、相続に関する相談、講演、執筆等を行う。

  • 「備えない」ことが「損」につながる!

    「うちはそんな大金持ちじゃないし、家族仲がよいから相続トラブルなんて関係ない。準備なんて、いらないでしょ」。そう思っている人は多いかもしれません。

    でもハルメクが実施したアンケートでは、親の遺産相続でトラブルを経験した人の74パーセントが相続の準備をしていなかったと回答。その相続額は1000万円未満が最も多く、金額が少なくても何らかのトラブルになっていることがわかりました。

    ハルメク独自「相続経験者」へのアンケート

    相続トラブルを経験した7割が、相続の準備をしていなかった!
    相続トラブルを経験した7割が、相続の準備をしていなかった!
    親の相続経験者1000人中、相続トラブルを経験したのは213人。そのうち、74%が、相続の準備をしていませんでした。
    相続額1000万円未満の人が最もトラブルを経験していた!
    想像額1000万円未満の人が最もトラブルを経験していた!
    トラブルを経験した人の相続額は負債を含め、1000万円未満が最多。「うちは大丈夫」なんて油断禁物です!

    ※このアンケートは、ハルメクが2017年1月12日~1月16日に実施(調査協力会社:マーシュ)。インターネット上でアンケートを送り、50歳以上の女性1000人から回答を得ました。

    トラブルの内容として多く挙がったのは、「親やきょうだいと事前に話し合っていなかったので、分配でもめた」「親の金融資産等を把握しておらず、手続きに手間取った」などです。

    税理士・福田真弓さんは、「相続手続きの基本的な知識や、親の資産について事前に知っておかないと、手間が余計にかかったり、税金を余計に支払ったりすることになりかねません。うちは大丈夫、は損の始まり。早めの準備がおすすめです」と指摘します。

  • トラブルを回避するには遺言書が最善策

    トラブルを回避するには遺言書が最善策

    また、家族間での話し合いが不十分だと、やはり手続きが長引いたり、縁が切れるきっかけになったりもします。円満だったきょうだい関係が、親の相続を機に壊れてしまったという話はよくあること。そんなもめ事を避けるためには、「親に遺言書を書いてもらうことが最善策」と福田さんは言います。

    「相続にはそれまでの家族の歴史が全部出てきます。親が子どもにかけた金額がきょうだいみな同じ額ということはあり得ません。それなのに親の遺産だけを平等に分けるとなれば、もめないはずがありません。だから子どもたちが不公平感を持たないような分け方を考え、遺言書に明記することが大事なのです。親子が双方納得できる遺言書があれば、もめるリスクが減るのです」

  • 相続税の対象者が増加 節税対策も要チェック

    相続税の対象者が増加 節税対策も要チェック

    親の家・土地は、現金と違って分けにくく、もめる可能性が高いもの。「相続税」の問題もはらんでいます。

    2015年1月に相続税の法改正が行われ、「3000万円+600万円×法定相続人の数」(相続税の基礎控除額)を超える資産がある人は、相続税の対象になりました。例えば預貯金が2000万円程度でも、都心などに家や土地がある場合は家や土地の評価額が高いため、相続税の対象になる可能性が高くなったのです。

    実際、昨年12月の国税庁の発表によると、15年に全国で相続税の課税対象になった人の割合は前年の約2倍の8%に増加しました。

    とはいえ、相続税についても手続きの流れや期限を知っておけば、期限に間に合わず延滞税がかかるといったリスクが減り、生前贈与などの節税対策で納税額を減らすこともできます。

    まずは下のチェックシートで、今あなたが、相続のどの“損の入り口”にいるのか、確認してみてください。

    「損」するチェック!

    上記3つのチェック表のうち、どれか1つでもチェックがついたら、対策が必要です。早めの準備を始めましょう。

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※この記事は、「ハルメク」2017年4月号「相続対策特集」に掲載した記事を再編集しています。
取材・文=野田有香、新井理紗、大矢詠美(ハルメク編集部)
コンテンツ提供:ハルメク