【人生100年時代コラム VOL.23】終の棲家どうしますか?

リフォーム、住み替え、減築?リタイヤ後の暮らしに最適な住宅とは

2019/02/14

リフォーム、住み替え、減築? リタイヤ後の暮らしに最適な住宅とは

リタイア後への備えは、早いうちから考えておくことが重要です。特に、長い時間を過ごすことになる住宅は快適な老後生活を送るための基本となる部分。バリアフリーのためのリフォームや減築、または住み替えなど、リタイア後の住まいをどうするかで暮らし方が大きく変わってきます。

  • 今住んでいる住宅にそのまま住み続けて不自由はない?

    今住んでいる住宅にそのまま住み続けて不自由はない?

    今まさに住宅ローンを返済中の人や、子どもがまだ巣立っていない人は、現時点では考える余裕がないと思うかもしれませんが、いずれは終の棲家について考える必要性が出てくるはずです。さまざまな選択肢があることや、それぞれのメリット・デメリットを知っておくことは重要でしょう。

    40代や50代など、現役で働いている人は、リタイア後も、今住んでいるマイホームにそのまま住み続けるつもりでいる人が多いと思います。しかし、人生100年時代とも言われる現在は、リタイア後の期間がこれまでよりも長くなることを前提に、さまざまな選択肢を考えておくべきです。

    まずは、住宅ローンの返済も終わり、子どもたちも巣立ったあとの状況を想像してみてください。郊外の一戸建て(2階建て)などに住んでいる場合、60代になって夫婦2人だけの生活になると、2階には滅多に上がらなくなり、広い家では掃除も大変です。当初からバリアフリーにしていたなら問題ありませんが、バリアフリーでない場合はリフォームを考える必要性も出てきます。そのための資金の準備も考えたほうがいいでしょう。

  • 一軒家を売却して便利なマンションに住み替える

    一軒家を売却して便利なマンションに住み替える

    選択肢としては、住まいを替えるという方法もあります。実際に、リタイアを機に自宅を売却して都心のマンションに移り住む人もいます。高齢になるほど、病院が近いとか、買い物が便利とか、管理人常駐でセキュリティが万全なマンションのほうが安心だという人は多いです。

    また近年、シニア向けの選択肢が増えてきています。サービス付き高齢者向け住宅やアクティブシニア向け分譲マンションなど、入居者をリタイア世帯に限定した住宅もあります。さらに、将来の介護のことも考えるなら、介護付きの有料老人ホームもあります。いずれも入居時の初期費用や入居後の毎月の負担などが必要で、金額はケースバイケースで大きく異なりますので、それぞれのサービス内容や費用負担をきちんと比較検討することが重要です。

  • 老後の生活に備えてリフォームして住み続ける

    老後の生活に備えてリフォームして住み続ける

    一方、住み替えではなく、長年の思い出が染み込んだマイホームで老後を過ごしたいという場合は、リフォームや減築をするという方法があります。

    リフォームは、バリアフリーにしたり、古くなった水回りを修繕したり、子ども部屋のカベを取り払ってリビングを大きくしたりといった改築が一般的です。ぜいたくせず、ユニットバスの交換や給湯器の交換だけなら50万円程度でできますが、リフォームのパンフレット通りにしたらすぐに100万円を超えます。キッチンやリビングのリフォームとなれば、老後資金にも影響する金額になってしまうでしょう。老後の生活を考えたとき、バリアフリー化はしたいところですが、古くなった家すべてをリフォームする必要があるかどうかは考えどころです。

    まして、夫婦二人だけの生活ではそれほど広い床面積は必要ないでしょう。そのようなときに検討すべきは「減築」です。

    老後の生活に備えてリフォームして住み続ける

    減築は、2階建ての住宅の2階部分を取り払って平屋建てにするとか、2階部分の床を取り払って吹き抜けにするとか、平屋の住宅部分を一部削って小さくするといった方法があります。

    減築のメリットとしては、慣れ親しんだ土地に住み続けられる点や、家の床面積を狭くすることで掃除が楽になる点、床面積に応じてかかってくる固定資産税や、将来の外壁の塗り替えなどの費用が安上がりになる点が挙げられます。

    一方、デメリットとしては、減築の工事期間中の仮住まいが必要になる可能性がある点や、減築工事の規模によっては費用が高額になってしまうことも。近年、リフォーム業者による詐欺まがいの事例も増えているようです。リフォームにしても減築にしても、複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討することが重要です。

    なお、住み替えの場合も、リフォームや減築の場合も、安易に住宅ローンやリフォームローンに資金を頼るのは要注意です。土地を担保にお金を借りられる可能性はありますが、重要なのはきちんと返済できるかどうかです。年金生活で借金の返済をしていくのは、単に資金面の負担だけでなく、精神的な負担も重くなるかもしれません。お金を借りられるということは一概によいこととは言えません。リタイア後だからこそ、安全安心を優先し、慎重に計画を立てることが重要です。実行に移す前にファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。

ひしだ・まさお

菱田雅生(ひしだ・まさお)
ファイナンシャルプランナー(CFP)。山一證券自主廃業後、独立系FPとして、相談業務、原稿執筆、セミナー講師などに従事。2008年に「ライフアセットコンサルティング株式会社」を設立。個人顧客向け相談業務や年間200回超の講演を行う。近著に「お金を貯めていくときに大切なことがズバリわかる本」(すばる舎リンケージ)がある

コンテンツ提供:ハルメク

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