【人生100年時代コラム VOL.32】リタイア後の住まいはどうしますか?

60歳からの暮らしを楽に。住み替え用マンションの選び方

2019/04/18

60歳からの暮らしを楽に。住み替え用マンションの選び方

セカンドライフを快適に過ごしたいシニア世代のなかで、今郊外の一軒家から都市型マンションに移り住む人が増えています。駅から近くて買物も便利、クルマの運転もしなくていいし防犯対策もしやすいと、いいこと尽くめの都市型マンションですが、リタイア後の大きな出費は避けたいところ。では、いったいどのようなポイントに気を付けて住み替えればいいのでしょうか。

  • セカンドライフは都市型マンションで

    セカンドライフは都市型マンションで

    リタイア後の生活のために郊外の一戸建てから都心のマンションに移り住む人が増えています。株式会社リクルート住まいカンパニーが行った「2017年首都圏新築マンション契約者動向調査」によると、近年、そのような住み替えを実行している人が増加傾向であることがわかります。

    首都圏で新築マンションを契約した人の割合を見てみると、世帯主年齢が50歳以上の夫婦のみ世帯(シニアカップル世帯)の割合が、2007年には2.0%であったものが、2017年には5.8%と3倍近くに増加しています。

    また、同調査でシニアカップル世帯が回答している「購入理由」(3つまでの複数回答可)を見ると、「老後の安心のため住まいを持ちたいと思ったから」(31.0%)、「もっと駅に近いところに住みたかったから」(30.7%)、「もっと生活に便利なところに住みたかったから」(30.3%)といった回答が3割を超える回答となっています。

    やはり、老後に向けた住まいに対するニーズとしては、「安心」や「便利」というのがキーワードとなってくるようです。

  • 「安心」と「便利」で選ぶ、都会のマンション

    「安心」と「便利」で選ぶ、都会のマンション

    では、老後生活に向けた住み替え用マンションの選び方を、「安心」と「便利」という2つの側面から考えてみましょう。

    まずは安心から。ひとことで安心といっても、お金の面での安心や、防犯面での安心など、いろいろあると思います。

    金銭面での安心を得るためには、住み替えによる出費をできる限り抑えることが重要になります。当然ながら、リタイア間近の住み替え時に住宅ローンを組むのはもってのほかでしょう。また、住み替え物件の購入価格を抑えるためには、中古の物件も含めて考えることが重要です。老後の生活に使えるお金を多くしておくことは、大きな安心につながるはずです。

    防犯面での安心としては、いまどきのマンションであればオートロックは当たり前ですし、基本的には一戸建てに比べてマンションのほうが防犯面の安全度合いは高くなっています。その上で、さらに確実性を高めたいなら、管理人や警備員が24時間常駐しているようなマンションを選ぶとよいでしょう。

    そのほか、精神的な安心としては、自分の子どもや親族の住まいの近くに住み替えるのもひとつの方法です。孫の顔をすぐに見ることができたり、何かあった時に頼ることができたりする状態にしておくわけです。子ども世帯にとっても、気軽に孫を預かってもらえるのは大きなメリットになるはずです。

  • 車に頼らない生活もキーワードに

    車に頼らない生活もキーワードに

    では次に「便利」について。これは、どのような老後生活を送りたいのかによって、多少なりとも求める便利さが人それぞれで異なる可能性があります。しかし、比較的多くの人にとっての便利さを考えると、駅が近い、病院が近い、スーパーやドラッグストアが近い、などといった点が便利さの上位に来るのではないでしょうか。

    高齢になるほど、体力が落ちていき、筋力だけでなく視力や聴力も低下していくのが通常です。将来的には、あちこちの病院に通いがちになる可能性もありますし、車いすが必要な状態になる可能性だってあります。そのような事態まで想定すれば、病院が近いというだけでなく、マンションの入口に送迎用の車を横付けできたり、車いす用の通り道がきちんと作られていたり、車からの昇降時に雨に濡れないような工夫がされているなどの便利さも意外と重要かもしれません。

    また、高齢になるほど、車の運転時に事故を起こしてしまう可能性が高まっていきます。早いうちから移動には公共交通機関を利用するというように決めてしまえばより安全ですし、マイカーを手放すことによる維持費負担からの解放というメリットも得られます。その際、不便さを感じないようにするためには、住み替え物件を選ぶ際に、駅から近いことを優先順位の上位にしておくべきでしょう。

    このように、リタイア後に向けた住み替え用のマンションを選ぶ際には、自分または自分たち夫婦の将来の生活を具体的にイメージして、さまざまな安心面や利便性の優先順位をつけてから比較検討することが重要です。じっくりと時間をかけて物件選びをしていきましょう。本当に満足のいく物件と巡り合えることができたなら、リタイア後の生活はきっと明るいものになるはずです。

ひしだ・まさお

菱田雅生(ひしだ・まさお)
ファイナンシャルプランナー(CFP)。山一證券自主廃業後、独立系FPとして、相談業務、原稿執筆、セミナー講師などに従事。2008年に「ライフアセットコンサルティング株式会社」を設立。個人顧客向け相談業務や年間200回超の講演を行う。近著に「お金を貯めていくときに大切なことがズバリわかる本」(すばる舎リンケージ)がある。

コンテンツ提供:ハルメク

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