【人生100年時代コラム VOL.33】お葬式代はこれで安心?

持病があっても入れる保険。メリット・デメリットは?

2019/04/25

持病があっても入れる保険。メリット・デメリットは?

若いころに加入した定期付終身保険は、気づいてみれば定期部分の保障期間が終わり、終身部分の保障は驚くほど低額で、この先、何かあったらどうしようと不安に思っている方も多いかもしれません。最近は高齢の方や、持病を持っている方も加入できる保険の広告を頻繁に見かけますが、これらの保険は入って得をするものなのでしょうか? そのメリット・デメリットを解説します。

  • 告知項目を絞った保険と、告知なしで入れる保険がある

    告知項目を絞った保険と、告知なしで入れる保険がある

    テレビCMや新聞・雑誌などで、「持病のある私でも入れる医療保険がある」などというフレーズを見聞きした経験のある方も多いでしょう。保険の場合、持病を持っていたり、既往症がある場合には、保険への加入が制限されます。持病のある人とない人の保険料が同じでは、不公平だからです。

    持病があるものの、現役時代に加入していた定期保険が終了してしまったり、投薬が習慣化することで入院に備えたいと考える高齢者は少なくありません。持病を持つ方のほうが、医療保障のニーズが高い現実もあり、持病のある方でも入りやすくしたタイプの保険を扱う会社が増えています。それらの保険は、「限定告知型保険」、「引受基準緩和型保険」、「無選択型保険」などに区分される保険で、いずれも健康状態の引き受け基準が緩和されています。

    糖尿病、高血圧、狭心症、がん、脳卒中などの病気にかかったことがあるかどうか、過去3か月以内に入院、手術、検査などをすすめられたことがあるかどうか、過去2年以内に上記の病気などで入院したことがあるかどうか、医師の診察・検査・治療・投薬のいずれかをうけたことがあるかどうかなどといった質問に答え(告知し)、加入することができます。

    「限定告知型保険」と「引受基準緩和型保険」は、告知の数を3~5項目に絞り、その告知内容に該当しなければ、過去に入院や手術を受けたことがあっても、加入できるようにした保険です。最近では、告知の数を2つに絞った保険も登場しています。

  • 既往症の病状が悪化しても保障は確実

    既往症の病状が悪化しても保障は確実

    「無選択型保険」は、医師の診査やこのような告知を受けずに、誰でも加入できる保険。「限定告知型保険」や「引受基準緩和型保険」では、該当する告知項目があり、それらの保険では引き受けを断られたとしても「無選択型保険」には加入することができます。「無選択型保険」は加入者の選択をしない代わりに、告知が必要な「限定告知型保険」などに比べて、保険料は高めに設定されています。

    ちなみに、「限定告知型保険」や「引受基準緩和型保険」は、医療保険として販売されているものが多いですが、定期保険や終身保険などの死亡保障が目的の保険として扱う会社もあります。どのタイプの保険を扱っているかは、保険会社ごとに異なっています。「無選択型保険」については、死亡保険として扱う会社が多くなっています。

    「限定告知型保険」や「引受基準緩和型保険」、「無選択型保険」のメリットは、すでにご紹介してきた通り、持病や既往症があるために、告知条件の厳しい一般的な保険への加入を断られた方でも、保険に加入しやすいことです。「限定告知型保険」や「引受基準緩和型保険」の場合、加入前の持病が悪化した場合でも、告知内容に該当せずに加入できていれば、保障が受けられる点も安心だといえます。たとえば、加入時に申告した糖尿病が悪化して、加入後に入院することになったとしても、入院給付金が受け取れます。

  • 保険料は3割増し以上! 保険金の支払い条件の確認を

    保険料は3割増し以上! 保険金の支払い条件の確認を

    いっぽうデメリットは、保険料が割増しになっていること。どのくらい割増しになるのかをイメージしてもらうために、ある会社の「医療保険」と「引受基準緩和型の医療保険」の保障内容を、できる限り同条件にして保険料を比べてみました。あくまでも一例ではありますが、70歳男性の場合で保険料は30%増し、70歳女性では36%ほど高くなっていました。年金が主な収入源となっているときに保険料を支払う方が多いはずですから、保険料の割増し率は無視できない点だと思います。

    「引受基準緩和型保険」よりも保険料が割増しになる、無選択型の終身保険などでは、平均寿命より長く生きた場合には、支払った保険料が受け取れる死亡保険金額を上回るケースもあります。「無選択型保険」は、持病があって普通の保険には入りにくいけれど、お葬式代は保険で確実に残したいといったニーズに応える保険といえそうです。

    また、通常の保険とは異なる保険金や給付金の支払い条件が設けられている点にも注意が必要です。たとえば、加入後1年、あるいは2年以内などに保険の支払事由が生じた場合、保障額が減額される商品も多くなっています。死亡保険金についても、加入から2年以内などの死亡の場合は、死亡保険金ではなく、支払った保険料程度が払い戻されるケースもあります。

    持病のある方向けの保険は公平感を保つために、通常の保険とは異なる給付条件や解約条件が設定されているケースが多いので、加入を検討する場合は保険金の支払い条件をしっかり確認することが大切です。

    ※「無選択型保険」を除き、たとえ加入の条件が緩和されている保険であっても、偽った告知をした場合は、告知義務違反で万一のとき原則保障されません。

はたなか・まさこ

畠中雅子(はたなか・まさこ)
ファイナンシャルプランナー
子育てから老後のお金のことまで生活にかかわるお金全般をやさしく解説。TV出演多数、著者多数。

コンテンツ提供:ハルメク

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