【人生100年時代コラムVOL.46】そのぽっこり、原因は“水太り”かも!?

体内の水の巡りをよくして、むくみを解消

2019/8/1

体内の水の巡りをよくして、むくみを解消

ダイエットしても、運動しても、下腹が凹まない……。「それは、体の中にたまった余分な水がうまく排出できずむくんでいる状態、すなわち、水太りが原因です」と指摘するのは、心療内科医・森下克也さん。解消するには、体内の水の巡りをよくすることが大切です。その方法は意外にも簡単。毎日飲んでいる水の飲み方をちょっと変えるだけでいいのです。

  • まずは今の自分の体にむくみがあるかチェック

    まずは今の自分の体にむくみがあるかチェック

    夕方になると脚がパンパン、朝は顔が何だか腫れぼったいなど、誰もが経験したことのある「むくみ」。実は脚や顔だけでなく、お腹もむくみます。

    「ぽっこりお腹の中身は何かというと、まずは皮下脂肪。あとは、臓器や筋肉、細胞の中や、細胞と細胞の間など、体内のあらゆる部分にたまった余分な水です。これらの余分な水がお腹全体の厚みを増やすために、お腹がぽっこりと出てしまうのです」と、不定愁訴に詳しい森下克也さん。

    人の体はその6割が水でできており、体の中に存在する水のことを“体内水”といいます。体内水は絶えず体の中を巡り、入れ替わります。しかし体内水を循環させる機能は年とともに衰えるため、体内水は滞りやすくなります。

    まずは今の自分の体にむくみがあるかを診断してみましょう。

    「水の巡りの状態を診断するのにおすすめなのが、就寝前後の体重差をチェックすること。通常、寝ている間に0.5〜2kgの体内水が排出されます。就寝前後の体重を量り、その差が0.5キロ未満だったら、体内水の巡りが滞っているサイン。他にも、舌の状態、すねを押したときの状態でも簡単に診断できます」

    舌でチェック

    鏡の前で舌を出してチェック。むくみがあると、舌の周囲にギザギザと歯の跡がついています。舌の表面に「舌苔」がある場合もあります。

    すねでチェック

    すねを指で押してみましょう。凹んだまましばらく戻らない場合はむくみのサイン。細胞と細胞の間にある体内水“間質液”が増え過ぎています。

    体内水の滞りは、放っておくとどんどん悪化し、さまざまな不調を引き起こします。体がだるい、手足がこわばる、肩こりや腰痛がある、頭が重かったり痛かったりする、以前より尿が出にくいなどといった症状は、体内水の滞りによって起きるものです。該当するものが多いほど、体内水が滞っていると考えられます。

    むくみによるぽっこりお腹と、それに伴うさまざまな不調を改善するには、体内水の巡りをよくし、余分な水をしっかり排出できる体にすることが大切です。

  • むくみを解消する新・水飲み習慣

    むくみを解消する新・水飲み習慣

    体内水の巡りをよくするには、歩くなどの運動をしてポンプ機能を担うふくらはぎの筋力をつけること、普段飲む水を、水道水や浄水器の水からミネラルウォーターに替え、体内水のミネラルバランスを整えることが大切です。

    「体内水は、心臓の鼓動、筋力、重力、浸透圧の4つの力によって巡っています。浸透圧とは、水に溶け込んでいる物質の濃度が低い方から高い方へ移動する力のこと。体内水のミネラルバランスがナトリウム過多になると、浸透圧によって細胞がどんどん水ぶくれし、むくみます」

    ナトリウムを適度に排出するのが、カリウムというミネラルです。カリウムは食品やサプリメントで補うこともできますが、水道水や浄水器の水よりカリウムが多く含まれている市販のミネラルウォーターを飲むことで、より手軽に摂取できます。

    「よく、むくみ対策というと水を飲むことを控えてしまう人がいますが、それは間違いです。1日に体から排出される水の量は約2.5L。特に喉の渇きは年とともに感じにくくなるので、1日約1.5Lを目安にこまめに水分補給しましょう」

    水を飲むべきタイミングは、起床時・朝食時・昼食時・午後の家事や仕事の後・夕食時・入浴前・入浴後・就寝1時間前の1日8〜9回。コップ1杯を目安に飲みましょう。

    市販のミネラルウォーターには硬水と軟水がありますが、カリウムの含有量が多いのは硬水です。硬水の独特な口当たりが苦手なら、無理に硬水を選ばなくてもOK。

    「軟水にもカリウムは含まれていますし、毎日しっかり飲めば、体内水のミネラルバランスは改善されます。水の巡りがよくなれば血流や代謝もよくなり、脂肪を燃焼させる力もアップ。健康維持のためにもこの水飲み習慣を取り入れてください」

    カフェインを含むコーヒーや緑茶には利尿作用があるため、水代わりに飲んでも水分補給にはならず、むしろ脱水傾向になることも。安心なのはやはりミネラルウォーター。お好みでレモンやミントを加えて味を工夫してもOK。飽きずに続けることが大切です。

森下克也(もりした・かつや)
1962(昭和37)年生まれ。心療内科医。もりしたクリニック院長。久留米大学医学部卒業後、浜松医科大学心療内科にて永田勝太郎博士に師事し、漢方と心療内科について研究。特に不定愁訴、自律神経失調症などの患者さんに対し、西洋医学と東洋医学の両面からきめ細かい対応を行っている。近著に『不調が消えるたったひとつの水飲み習慣』(宝島社刊)がある。

※この記事は、「ハルメク」2018年9月号に掲載した記事を再編集しています。
取材・文=大門恵子(ハルメク編集部)
コンテンツ提供:ハルメク