【人生100年時代コラムVOL.47】銀行口座、いくつ持っているか把握していますか?

10年以上使っていない銀行預金は、休眠預金に!? 早めの手続きを

2019/8/8

10年以上使っていない銀行預金は、休眠預金に!?  早めの手続きを

長年ほったらかしにしている銀行口座はありませんか?そのうち整理しようと思っていても、なかなかできないものですよね。しかし2019年から、10年以上使っていない預金の取り扱いが変わりました。その場合の預金はどうなるのでしょうか。ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんに聞きました。

  • 休眠預金は毎年700億円も

    50代以上の家庭は子育てや夫の転勤などにより、これまで銀行、郵便局、信用金庫など方々の金融機関に預貯金口座を開いてきたと思います。その他の世代も、多くの人が10年以上使っていない口座を複数持っているのではないでしょうか。

    長年放置され、入出金などの動きがない銀行等の口座のことを「休眠預金」といいます。休眠預金となる年数は現状、金融機関により5年ないし10年などと異なっています。それが2018年1月に「休眠預金等活用法」という法律が施行され、「2009年1月1日以降の取り引きから10年以上、その後の取り引きがない預金等を休眠預金とする」と統一されることになりました。つまり2009年1月の10年後である今年2019年の1月から、法律施行後の”新”休眠預金が発生し、取り扱いも変わったのです。

    対象になる預金は、普通預金、定期預金、貯金、定期積金など。定期預金を自動継続のまま放置している場合、最初の満期日から10年以上たっていれば休眠預金になります(※1)。財形貯蓄や外貨預金などは対象外です。

    実は休眠預金は毎年1,200億円程度発生し、払い戻された約500億円を差し引いても700億円ものお金が放置されています(※2)。これを社会のために有効活用しようという観点から、前述の法律ができました。”新”休眠預金は預金保険機構に移管され、そこから民間公益活動に活用されることになっています(※3)。

    「だったら、10年以上放置していた預金は預金保険機構に没収されるの?」と心配になるかもしれませんが、そうではないのでご安心を。少し複雑ですが、10年以上入出金などの取り引きがない預金がいきなり休眠預金となり、「預金保険機構に移管」されるわけではありません。心当たりがある人は、図表1のフローチャートで確認しましょう。

    「休眠貯金」になる?ならない?フローチャート

    残高が1万円以上なら、届け出住所に「休眠預金に該当する(しそうな)口座があります」と銀行から個別に通知状が郵送されていたはずです。通知状が届くと休眠預金にはなりませんが、転居先が不明で届かないと休眠預金になります。残高1万円未満の場合にはそもそも通知状が発送されないので休眠預金になります。

    ※1 例えば1年定期を自動継続している場合、当初の1年満期を迎えた時点から10年以上たっていれば休眠預金になる。

    ※2 2014年度〜2016年度。(金融庁の資料による)

    ※3 「子ども及び若者の支援」「日常生活または社会生活を営む上で困難を有する人への支援」「地域活性化等の支援」等にかかわる活動を行う民間公益活動に助成金を出したり、貸付を行ったりする予定。

  • 老親の口座の整理に付き添ってあげて

    仮に休眠預金となって預金保険機構に移管されたとしても、解約してお金を引き出すことはできます。ただし解約手続きに手間がかかり、現金を受け取るまでに日数を要する可能性が大きいです。長年取り引きをしていない口座があるなら、銀行等での手続きだけで済むように早めに解約することをおすすめします。

    解約手続きは、取り引きのある銀行等の本支店であればどこでもできるので、最寄りの支店に通帳と印鑑を持って出向きましょう。問題は生活圏に支店がない場合です。まずは口座をつくった支店に電話をし、解約をしたいとの旨を伝えて手続きの方法を尋ねてください。

    銀行等の口座は1人につき3つまで

    休眠預金の解約を機に、みなさんにおすすめしたいのは、銀行や郵便局等の口座の整理です。現役世代の家庭にはある程度の数の口座が必要かもしれませんが、年金生活に入っているお宅は、図表2に挙げたように口座を夫婦それぞれ3つまでに絞りましょう。日常生活用として1〜2つ、一時的な支出用のサブ口座として1つです。使う口座だけに絞り込めば管理が楽ですし、今後休眠預金も発生しません。将来、相続が発生したときにも相続人である子どもに面倒をかけずに済みます。

    口座の整理の際に、キャッシュカードの整備をすることもおすすめします。高齢だとATMでお金を下ろさず、窓口でお金を下ろす人も少なくありません。その場合、通帳はあっても、キャッシュカードは紛失・破損していることも多いので、再発行の手続きをとり、暗証番号も適切なものに設定してください。

    キャッシュカード

    例えば年金暮らしの夫婦がいて、夫がいつも銀行の窓口で自分の年金を通帳で下ろし、夫婦の生活費にあてていたとしましょう。夫が病気等で窓口に行けなくなったとしても、キャッシュカードがあれば妻が代わりに年金を下ろしに行けます。キャッシュカードは備えになるのです。

    なお、70〜80代以上の老親を持つ50〜60代は、老親が口座の整理のために銀行に出向く際に付き添ってあげるとよいでしょう。

    【結論】
    10年以上放置の「休眠預金」は解約を。これを機に銀行等の口座は1人3つまでにまとめましょう。

ふかた・あきえ

深田晶恵(ふかた・あきえ)
個人向けコンサルティングを中心に、メディアや講演活動を通じてマネー情報を発信。得意分野は住宅資金計画や定年退職前後の生活設計など。すぐに実行できるアドバイスをすることがモットー。『サラリーマンのための「手取り」が増えるワザ65』(ダイヤモンド社刊)など著書多数。

※この記事は、「ハルメク」2018年11月号に掲載した記事を再編集しています。
取材・文=萬真知子 撮影(人物)=品田裕美
コンテンツ提供:ハルメク