【人生100年時代コラムVOL.48】老々介護で夫婦共倒れしないために

夫婦間介護で、心得ておきたい4つのポイント

2019/8/22

夫婦間介護で、心得ておきたい4つのポイント

もし夫が病気や怪我で倒れたら、あなたはどうしますか?親の介護と違い、夫の介護の場合は自分も高齢になっているケースが多く、先の見えない「老老介護」で共倒れしてしまう可能性も。「夫婦間介護」の乗り越え方を介護に詳しいジャーナリストの太田差惠子さんに聞きました。

  • 「自分が見なくては」と一人で背負い過ぎずに

    夫婦どちらかが要介護状態になったらどうするか、夫婦で話したことはありますか?介護に詳しいジャーナリスト、太田差惠子さんはこう話します。「今の50代、60代の介護をめぐる環境は、前代未聞の厳しい状況。高齢化で親が長生きし、親の介護をする一方で、自分も要介護状態になることも。しかも子ども世代に経済的な余裕はなく、頼りづらい人もいるでしょう。特に大変なのは夫婦間介護です」

    夫婦間介護というと先のことだと思いがちですが、60代でも脳梗塞などで倒れ、要介護状態になる人は珍しくはありません。親が存命の場合は、ダブル介護となる可能性も。

    そして夫婦間介護が親の介護と大きく違うのは、主たる介護者はあなた自身だということ。親の介護はきょうだいで分担することもできます。しかし夫の介護の場合は同居している妻が「自分が見なくては」と抱え込んでしまうケースが多いのです。「夫を介護施設に入居させるのに後ろめたさを感じ、無理して自宅介護を続ける人もいます。でも妻も年をとります。避けたいのは老老介護となって共倒れすることです」と太田さん。

  • 介護施設に入る条件を話し合っておく

    介護施設に入る条件を話し合っておく

    太田さんがすすめるのは、元気なうちに「一人でトイレに行けなくなったら」や「介護をする側が病院に付き添えなくなったら」など、どういう状況になったら介護施設に入るかを話し合っておくこと。施設に入れる方の後ろめたさを和らげ、施設に入る方も「家を追い出された」と感じるのを防ぐ手助けになります。

    施設を利用する経済的な余裕がない場合は介護保険でショートステイの活用を。外泊に慣れることで将来施設に入ることになったときのハードルも下がります。「プロを頼るのは悪いことではありません。大切なのは共倒れしないことです」と太田さん。「考えたくないから」と介護の話をタブー視せず、事前に情報を集めて夫婦で話し合いましょう。

  • 夫婦間介護、心得ておきたい4つのポイント

    夫婦間介護、心得ておきたい4つのポイント

    1「親の後に来る」と思い込まない

    「まずは親の介護が先」と後回しにせずに、元気なうちに夫婦で話し合いを。夫婦で一緒に施設の見学をするのもおすすめです。

    2 主たる介護者はあなただと自覚する

    「親の介護を経験したから大丈夫」と思わないで。手続き面は親の介護と同じですが、日々の介護の負担の大きさが違います。

    3 老老介護で共倒れにならない準備を

    60代で夫が倒れ、介護が30年続くケースもあります。自分の体力も落ちたときにどうするか、あらかじめ考えておくことが大切。

    4 どういう状態になったら施設に入るか家族で話す

    施設を利用する場合は子どもにも話しておくこと。後で「お母さんが勝手にお父さんを施設に入れた」などとならないようにしましょう。

太田差惠子(おおた・さえこ)
介護・暮らしジャーナリスト。AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)。「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」などの情報をテレビ、新聞などで発信している。各地で講演。最新刊に「高齢者施設 お金・選び方・入居の流れがわかる本 第2版」(翔泳社刊)。

※この記事は、「ハルメク」2018年6月号に掲載した記事を再編集しています。
取材・文=井口桂介、大矢詠美(ともにハルメク編集部)
コンテンツ提供:ハルメク