【人生100年時代コラムVOL.53】消費税増税で知っておきたい

キャッシュレス決済のメリットと注意点とは

2019/10/3

キャッシュレス決済のメリットと注意点とは

最近話題の「キャッシュレス決済」や「コード決済」。「何だか便利でお得そう……」と思いつつも、「メリットや始め方、どんなタイプが自分に合っているのかわからない」とまだ躊躇しているシニア世代も少なくないようです。実は、増税後は現金払いよりキャッシュレスのほうがおトクなのですが、一方で使い方には注意も必要です。キャッシュレス決済の基本の「き」を押さえておきましょう。

  • おなじみのクレジットカードや電子マネーも

    おなじみのクレジットカードや電子マネーも

    そもそもキャッシュレス決済とは、何のことなのでしょうか。キャッシュレス決済には、以下のようなさまざまな形態のものがあります。

    すでに多くの方が使っているクレジットカードもキャッシュレス決済の一つです。クレジットカードは、加入時に審査があり、使った分の支払い額が月に1回銀行口座から引き落とされます。カード会社によって、ポイント付与や会員特典などのサービスがあります。クレジットカードと似ていますが、お金を使ったときに銀行口座から即時引き落としされるデビットカードもキャッシュレス決済です。

    お金を財布から出す手間なくスマートに払える電子マネーも、キャッシュレス決済です。電子マネーには、「Suica」などの交通系のものと、「nanaco」などの流通系のものがあります。カードタイプとスマホのアプリタイプから選べ、あらかじめ入金した範囲で使うプリペイド型が主流です。一部には後払い型の電子マネーもあります。

    ここ1~2年でいろいろな会社が参入しているのがコード決済です。コード決済には、「d払い」や「楽天ペイ」、「LINE Pay」、「PayPay」などたくさんあります。スマホにアプリをダウンロードして、クレジットカードか銀行口座を登録して使います。使うときは、スマホアプリで表示したコードを店舗がバーコードリーダーで読み取るか、店舗のQRコードをスマホアプリで読み取るかして決済します。支払方法は、前払い、後払い、即時引き落としなどさまざまです。

  • 増税から9か月間はキャッシュレス決済がおトク!

    増税から9か月間はキャッシュレス決済がおトク!

    キャッシュレス決済を使っておトクになるのは、消費税率が10%に上がった2019年10月から9か月間です。その時期に消費者がクレジットカードやコード決済などのキャッシュレス決済で買い物をすると、中小の小売店なら5%、コンビニなどのフランチャイズ店なら2%分のポイントが還元されます(大手スーパー・百貨店、ポイント還元を申請していない中小小売店は対象外)。

    その時期以外にも、ポイントがたまることは現金払いにはないメリットです。特にコード決済は、通常0.5%程度のポイント還元率が、キャンペーン時には20%に上がることもあり、おトクに買い物できるチャンスがあります。たまったポイントは、現金と同じように買い物などに使えます。

    いうまでもありませんが、キャッシュレス決済は、支払いのときに現金を出したり、お釣りのやりとりをする手間が省けます。ATMで現金をおろす必要がないので、その手間と時間、これまで払っていた人は手数料も不要になります。また、キャッシュレスで決済した分は、いつどこでいくら使ったか利用履歴を見ることができるので、家計管理にも役立ちます。

  • キャッシュレス決済は使うべき?

    キャッシュレス決済は使うべき?

    キャッシュレス決済にはいくつかの注意点もあります。まず、現金よりもお金を使う重みを感じにくくなるので、つい使い過ぎてしまうこと。次に、クレジットカードのように後払いのものや電子マネーなどのようにチャージ(入金)して使うものなど、実際の買い物をするときとお金を払うときのタイミングがずれることで、手元にあるお金と使ったお金にズレが生じ、家計の管理が難しくなるということがあります。また、企業は購買履歴のデータをもとに宣伝活動などをしてくる可能性もあります。

    使い過ぎを防止するには、現金とは別にキャッシュレス決済で払う部分にも予算を決めて、「1か月に〇円までしかクレジットカードを使わない」「〇円までしか電子マネーにチャージしない」、というように管理しながら使いましょう。支払うタイミングのズレは、基本的には、「ものを買ったときに家計の残高が減る」という方針で家計管理をするようにします。そうすれば、手元にあるお金以上に買い物をすることはなくなります。企業からの宣伝については、それに乗せられて不必要なものまで買わないように気をつけましょう。

    ここまでキャッシュレス決済のメリットもデメリットも見てきましたが、「何が何でもキャッシュレス決済がいいか」というと、そういうわけではなく、「ポイントがつかなくてもいいから現金で暮らしたい」「家計管理が難しそうだから現金だけにしたい」という人は、もちろん現金だけでOKです。

    しかし、今後はキャッシュレス決済がもっと増えていく社会になっていきます。今の社会の仕組みを理解していく行動ともなりますので、自分がよく行くお店で使える電子マネーを1つと、コード決済を1つ、試しに使ってみることをおすすめします。使ってみると、その便利さに気づくかもしれませんし、やはり現金のほうがいいと思ったら、使わなければいいだけです。クレジットカードも電子マネーもコード決済も、数が増えるほど管理が煩雑になります。できるだけ数を絞って、自分がコントロールできる範囲で上手に使っていきましょう。

いくしま・のりこ

生島典子(いくしま・のりこ)
ライター・編集者。1964(昭和39)年福岡県生まれ。88年早稲田大学教育学部を卒業後、投資信託運用会社、出版社に勤務。その後、ライター・編集者として独立。雑誌、ムック、Web媒体などで活動。金融(家計、節約、住宅ローン、保険、年金など)、子育て、教育、住まい、働き方などが主な執筆テーマ。3人の子どもを育てる過程で、学童保育の親の活動、PTA活動などに関わる。著書に『証券・保険業界で働く』(ぺりかん社刊)。

コンテンツ提供:ハルメク

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