【人生100年時代コラムVOL.56】元結不動 密蔵院・住職 名取芳彦さんに聞く

イライラを手放して、心を穏やかにする5つの行い

2019/10/24

イライラを手放して、心を穏やかにする5つの行い

趣味のサークル、ご近所付き合い、仕事の仲間、夫に子ども……。人あるところにイライラ・もやもやあり。「心穏やかになるために修行を積むのが仏教」と話す、住職の名取芳彦さんに日頃の心得を教わります。

  • イライラは、自分の心の問題

    イライラは、自分の心の問題

    人間関係のイライラ・もやもやは相手あってのことですが、ひもといていくとそれは「自分の心の問題」です。私の寺のご本尊はお不動様で「心を不動にしろ、心を決めろ。されば行動ができる」とお説きになります。ここで言うなら「穏やかでいたい」と心を決めろ、ということです。それをしっかり意識できれば、自分が穏やかであるために、我慢してもするべきことと、我慢してやってはいけないことがある、と見えてくるはずです。

    最近みなさんは、「お先にどうぞ」といつ言いましたか。人間関係で大切なのは、この「お先にどうぞ」の心構えです。イライラの原因はたいてい、相手の都合と自分の都合のぶつかり合い。狭い橋をあっちとこっちから渡ってきて譲り合わないようなものです。そのときに「お先にどうぞ」と相手の都合を優先して、自分は避難することで、心に決めた「穏やかでいたい」は守られます。それでもまだ、どうして私が譲らなきゃならないの!と思う方に申しましょう。譲ったところで、結果に大した違いはありませんよ。

    こんな昔話もあります。ある殿様が、人と付き合うにはどうすればいいかと問われて「四角い重箱にみそを詰め、丸いしゃもじですくうようにすればいい」と答えた。四隅にみそは残るけれど「そのくらいがいい」と。四隅をつつかない。完璧を求めれば、自分がつらくなるだけです。

    それでもイライラ・もやもやが去らないなら、悩むより「考える」こと。“悩む”に出口はありませんが“考える”は、出口を求めて行動することです。自分は相手の何に対してイライラするのか、自分に問いかけ、原因を明らかにする。そうすれば「穏やかでいたい」ためにすべき行動が見えてくるはずです。

  • イラッとしたら5つの行いで自分をリセット

    イラッとしたら5つの行いで自分をリセット

    1. 手を合わせる

    邪念であちこちに散っている“気”が、手を合わせることで集中して、一つになります。いつでもどこでもできます。

    2. 散歩をする

    空を見る、花の香りに気付く、風を感じる、往来の人を見るなど、五感を使って感じ取りましょう。すると、生かされている自分に気付き、小事に惑わなくなります。

    3. 感じたことを20秒の言葉にしてみる

    散歩などして五感で感じたことを、身近な人に20秒でまとめて言ってみましょう。毎日続けると、気付きが増えてポジティブになれます。

    4. カレンダーに「何もしない日」と書く

    ひまな時間こそ大事。あえてそうした時間を設けて、自分と向き合いましょう。夜寝る前に、何もしない5分間をつくるだけでもOKです。

    5. “おかげ”の数を数える

    どんな嫌なことがあった日も、何かしら、いいことはあります。それはすべて何かのおかげ。その数を数えてみてください。

なとり・ほうげん

名取芳彦(なとり・ほうげん)
1958(昭和33)年、東京都生まれ。元結不動・密蔵院住職。真言宗豊山派布教研究所研究員。豊山流大師講(ご詠歌)詠匠。写仏、ご詠歌、法話・読経、講演などを通し幅広い布教活動を行う。日常を仏教で“加減乗除”する切り口は好評。『感性をみがく練習』(幻冬舎刊)『心が晴れる智恵』(清流出版)など、著書多数。

※この記事は、「ハルメク」2019年2月号に掲載した記事を再編集しています。
取材・文=前田まき(ハルメク編集部)
コンテンツ提供:ハルメク

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