【人生100年時代コラムVOL.61】「知る・書く・確認する」の3ステップで

一生お金に困らない年金家計のつくり方

2019/11/28

一生お金に困らない年金家計のつくり方

年金生活に入ったら、お金の使い方も現役時代とは変える必要があります。家計管理ができる「2か月家計簿」を書いてみると、見直すべきポイントがわかりやすく、100歳まで安心な、賢い年金家計がつくれます。ポイントは、「知る」「書く」「確認する」の3つです。

  • 貯蓄額から、取り崩してもいい金額を「知る」

    総務省の2017年家計調査報告によると、一般的な年金家庭の家計収支は、年間65万円の赤字です。「年金家計は年金収入だけでは回せません。不足分には、老後資金の預貯金を充てていきます。赤字は当然という前提で、100歳まで生きると想定して、我が家は1年でいくら取り崩していいのかを知ることがスタートです」とファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんは言います。

    一生お金に困らない年金家計を作るのに有効な「深田式の2か月家計簿」の書き方を説明しますので、ぜひ試してみてください。

    はじめに、銀行預金や証券などの金額をすべて洗い出します。その合計が「我が家の金融資産」です。

    貯蓄額から、取り崩してもいい金額を「知る」

    ここから、「いざというときのためのお金」(病気に備える夫婦の医療費、家のリフォームや車の買い替えなど、500~1,000万円)を引きます。

    算出した金額を、「これからの老後生活の年数」(100-今の年齢)で割ってみましょう。これが、「1年間で取り崩してもいい金額」の目安です。「額の少なさに驚くことでしょう。あくまで目安ですが、ここで危機感を持つことが重要」と深田さん。

    また、「我が家の金融資産」を洗い出した際に複数の口座を保有しているようなら、この機会に整理を。年金振込用、老後資金貯蓄用、取り崩し用の3つに分けるのがおすすめです。

  • 年金1回あたり、2か月分の家計を「書く」

    「2か月家計簿」は、2か月ごとに受け取る年金1回あたりの収支をイメージできるように、「2か月分の家計」を書き出すことがポイントです。年金収入と月々の支出を書き出し、収支を把握します。

    まず、「収入」。生活費のベースとなる定期収入(年金など)を書きます。1か月目の欄には、年金受け取り額を。2か月目の欄には、前月(受け取り月)の年金残高も書き加えます。これが2か月目の生活費です。

    年金1回あたり、2か月分の家計を「書く」

    次に、「支出」。1か月分の支出予定金額(予算)を書きます。公共料金や光熱費、保険料、税金、住宅ローン、食費、日用品費、趣味・交際費、医療費、行事支出など、生活に合わせた細目ごとに書きましょう。

    そのお金を「どこから出すか」も重要です。定期収入から支払うものは「年金より」の欄に、貯蓄を取り崩して支払うものは「貯蓄より」の欄に金額を書きます。

    「予算を立てるのは、限られたお金を使う上では必須。また、貯蓄の目減りを抑えるため、お金の出どころに意識的になりましょう」と深田さんは助言します。

    予算の隣に、「実際に使った金額」を書く欄を作ります。1か月目と2か月目の2つ設け、こちらもお金の出どころ(年金からか、貯蓄からか)がわかるように欄を作ります。使った金額を埋めていくと、これで2か月ごとに受け取る年金1回あたりの収支をイメージすることができるようになります。

  • 家計の赤字を「確認する」

    「2か月家計簿」を書き終えたら、家計の確認です。
    2か月分の収入から、2か月分の実際の支出を引くと、「2か月分の収支」が出ます。「支出は予算内でしたか? オーバーなら、原因を振り返って見直しを。大幅に上回っていても、現状を把握できたことで、今まで不安な思いで使ってきたお金がようやく計画的に使えるようになります」と深田さん。こうして2か月を実践できたら、同じように2か月ごとに「2か月家計簿」をつけていき、1年間続けましょう。

    また「家計の健全度」も確認しましょう。最初に算出した「1年間で取り崩してもいい金額」を6等分し、その金額から上記の「2か月分の収支」を引いた額が、「家計の健全度」です。

    家計の赤字を「確認する」

    「結果がプラスなら、この調子でお財布のひもを締めていきましょう。マイナスであれば、使い過ぎの支出をカットしましょう」と深田さんがアドバイスします。

    さらに深田さんは、1年間の社会保険料や税金の支払い予定、行事支出予定を書き出すことを推奨します。それらを把握しておくと、「固定支出や行事支出が重なる月があっても、支出の少ない月もあるので年間を通して調整するよう計画できます」。計画的な支出ができれば、安心して暮らせます。

ふかだ・あきえ

深田晶恵(ふかだ・あきえ)
1967(昭和42)年北海道生まれ。生活設計塾クルー取締役、ファイナンシャルプランナーCFP®認定者・1級FP技能士。『まだ間に合う!50代からの老後のお金のつくり方』(日経BP)など著書多数。

※この記事は、「ハルメク」2019年3月号に掲載した記事を再編集しています。
取材・文=井口桂介、大矢詠美(ともに編集部)
コンテンツ提供:ハルメク

シェアしよう!