【人生100年時代コラムVOL.62】シニア女性のリアルな声に学ぶ

夫婦のイライラ、もやもやはどう回避する?

2019/12/12

夫婦のイライラ、もやもやはどう回避する?

定年後、家にいることが増えた夫に感じるイライラや不満。嫌いなわけじゃないだけに困りものです。60代、70代夫婦の「長年連れ添ったからこそできる回避法」はキラリと光る知恵と工夫がたくさんあります。雑誌「ハルメク」の女性読者の実践例から円満夫婦のヒントを学びます。

  • これまでの固定観念を捨ててみる

    「食事どきは横並びに座って食べます。顔が見えないのがいいの」(66歳・東京都)

    夫との食事は、テーブルで向き合って食べるのをやめました。向き合っていたときは、持病のある夫が心配で「塩分は控えたら?」「飲み過ぎじゃない?」とつい口出ししていました。1日3食、毎回食事中にあれこれ言われた夫は気分を害すし、言っても聞いてくれないので私も疲れてしまうし、悪循環でした。

    今は、座る位置や時間帯をずらして向き合わないようにし、二人とも、目線は常にテレビに向いています。視界に入らなければ、ささいなことは気になりませんし、テレビのおかげで「仲良く楽しく会話をしなければ」というプレッシャーもなくなり、ホッ。

    せっかく作ったごはんをイライラしながら口に入れるなんてもったいない。お互いおいしく食べることができれば、どんな形でもいいのかも、と思っています。

    これまでの固定観念を捨ててみる

    「私も家事を定年退職。だから、我が家の夕食は1食100円で承ります」(70歳・神奈川県)

    5歳年下の夫が定年退職を迎えたのを機に、私も“専業主婦を退職”宣言。以来、自室の掃除や洗濯はそれぞれが行い、共有部分の掃除は気付いた方がやっています。食事も各自で好きなように食べるのが基本。

    夕食を多めに作り、夫も食べるときは、リビングに置いてある貯金箱に100円を入れてもらいます。たかが100円ですが、このおかげで、長年抱えてきた食事作りの義務感から解放されました。1,000円貯まったら友達とランチへ行くなど、日々の楽しみになっています。

    「夫は1階、妻は2階に寝食のスペースを分けました。気配は感じるので安心です」(67歳・埼玉県)

    夫は昔から、自分の主張を押し通してくる人。55歳で早期退職してから家にいる時間が増え、私はさらに気詰まりに思うようになりました。そこで3年前、思い切って二世帯住宅への建て替えを提案。話し合いを重ねて納得してもらい、費用は私と同居の娘で出しました。

    1階が夫、2階と3階が私と娘と孫のスペース。二世帯住宅といっても、内階段があり、簡単に行き来できます。不思議なことに、以前は会話さえ苦痛だったのに、今はとても気持ちが楽になり、もらいものを分け合ったり、時々一緒に映画に行ったりすることも。

    気配を感じるので安心感もあります。夫自身も、自分のペースで生活するのを楽しんでいるようです。

  • そばにいることが夫婦の証ではない

    「毎日のテレビは別々の部屋で。たまの映画は二人で映画館へ。ときどき一緒、がちょうどいいんです」(60歳・東京都)

    食後の楽しいテレビタイムのはずが、見たい番組が合わなかったり、テレビに文句を言う夫の姿にイラッとしたり。そこで15年前から、夫はリビングでニュース番組や刑事ドラマに集中、私は寝室で録画しておいた旅番組を見ながらアイロンがけ、と別々の部屋で過ごしています。

    その代わり、年に1、2度は二人で映画館へ出掛けます。生活習慣や好みなど、毎日のこと、お互いさまの不満は言い争っても解決しないもの。早々に別行動を習慣にする方が、一緒にいる時間を前向きに楽しめます。

    「年に数回、同じ場所に旅行。無口な夫との共通の話題にもなるし、家事も休めて一石二鳥」(60歳・福岡県)

    無口な夫との普段の会話は「今日は何食べる?」「何でもいい」。たまに答えても「寿司かステーキ」なんて高価なものを言ったりするものだから、腹が立ってしまいます。

    なので、年に4回、近場の保養所で過ごす2泊3日の夫婦旅行がいい息抜き。「おいしい料理が勝手に出てきて片づけなくていい」なんて、主婦にしたら天国です。いつも同じ宿なので、宿泊客同士で顔見知りができたり、スポーツイベントに参加したり、共通の話題や思い出も増えました。旅行中は、普段より自然と夫婦の会話が弾みます。

    そばにいることが夫婦の証ではない

    「夫婦げんかの仲裁役はペット。お互いのイライラを和らげてくれます」(67歳・東京都)

    頑固で人の言うことを聞かない夫と、ちょっとしたことで口げんかが絶えません。そんなとき、すかさず仲裁に入るのが飼い犬。言い争いが始まると、急いで私のひざの上に乗ってくるんです。その姿を見ると気が静まって、大爆発せずに済んでいます。

    抱っこしたときのぬくもりには、イライラを吸収するパワーがあるのかもしれません。夫は夫で「お母さん、あんなに怒らなくてもいいのにね」なんて、犬を介して言いたいことを伝えてきたりします。夫婦関係を円滑にしてくれる、なくてはならない存在です。

    「昔の仕事の話は上手に聞くふりをしています。これで夫も上機嫌♪」(73歳・東京都)

    定年退職してもう10年近くたつというのに、晩酌のたびに、昔の仕事の話を上機嫌で話し続ける夫。同じ話を何度も繰り返すので、こちらは正直うんざりです。でも、無理やり話を遮って機嫌を損ねるよりはと、とりあえず聞くふりだけはしています。

    目はテレビ、耳は半々、ときたま口だけは相づちを打って……と、私も上手になってきました。それでも話が長引きそうなときは、テレビや飼い猫をネタに、さりげなく話題を変えてしまいます。

※この記事は、「ハルメク」2018年6月号に掲載した記事を再編集しています。
取材・文=長倉志乃、大門恵子、田渕あゆみ(すべて編集部)
コンテンツ提供:ハルメク

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