【人生100年時代コラムVOL.66】脳の疲れをとって

いつも元気で若々しい人の生活習慣15

2020/1/16

いつも元気で若々しい人の生活習慣15

年齢を重ねるにつれて、疲れを感じやすくなってきます。「実はその原因は、脳の疲労なのです。自律神経の中枢の疲れをとるために、リラックスして副交感神経が優位になる時間を増やすことが効果的」と医師の梶本修身さんは説明します。ご紹介するのは、脳を疲れにくくする15の習慣。この中から、生活に取り入れやすいものを実践してみてください。

  • 朝は、脳をゆっくり目覚めさせ、気持ちよくスタート

    年齢を重ねると、脳の中にある自律神経の中枢の起動速度が、だんだんとゆっくりになります。やさしくゆっくり起こしてあげましょう。

    1.布団の中で5分間ゴロゴロ

    目覚めてすぐに起き上がると血圧が上昇し、自律神経に負荷がかかります。5分ほど布団の中でその日の予定をイメージしたり、足首をブラブラと動かす簡単な体操をしたり、ウォーミングアップをして起き上がりましょう。

    2.起きたらカーテンを開ける

    体内には「日が昇ったら活動し、日が沈んだら休む」という生体リズムが備わっており、このリズムに沿って暮らすことで、自律神経が整います。カーテンを開けて朝日を浴び、ゆるやかに体を目覚めさせましょう。

    3.緑茶の茶葉の香りを嗅ぐ

    緑茶の茶葉の香りは、疲れに即効性があります。この香りを嗅ぐと神経細胞の機能が高まり、疲れを引き起こす活性酸素が発生しにくくなります。緑茶をいれる前に茶筒を開けて、じっくり嗅いでみてください。

    3.緑茶の茶葉の香りを嗅ぐ

    4.朝食を食べるまで運動は避ける

    朝食を食べる前は、血糖値も血圧も低く、まだ体が完全に目覚めていない状態。この段階で散歩や運動をすると体にムチを打ったような状態になるため、自律神経に大きな負荷がかかります。運動開始は朝食後がベストです。

  • 昼間は、「ながら休息」しながらアクティブに

    日常生活の中には、脳をいたわれる習慣がいろいろあります。何気なく続けている家事も、少し見直すだけで、一日の終わりの疲労感が変わってくるはずです。

    5.家事をたまにはサボる

    女性に多い家事疲れ。「◯時までに洗濯と掃除を終わらせる」などと1日にすべき家事を決めてこなすと、できなかったときにストレスを感じやすくなります。「できるときにやればいい」くらいの気持ちが、疲れ対策には効きます。

    6.外出はサングラスをかける

    紫外線は、浴びるだけで疲れの原因に。特に角膜に紫外線が入ると活性酸素が発生して炎症を起こし、自律神経が臨戦態勢となって疲労につながります。紫外線の強い季節は、紫外線99%以上カットのサングラスで疲れ予防を。

    7.散歩は緑の多い公園で

    前述した茶葉の香り以外に、森や芝生の香りでも疲れが癒やされます。また、副交感神経を優位にする木漏れ日や川のせせらぎのような動き方や音に不規則なリズムを持つ「揺らぎ」を、自然豊かな公園では多く感じられます。

    8.買い物はあらかじめ買う物を決めておく

    「どれにしようか」と選択に迷うたび、人は少しずつ疲れています。「迷うのが楽しい」という人もいるかもしれませんが、スーパーへ行く前に献立を考えて買うべき物を決めておくと無駄な「迷い疲れ」を防げます。

    8.買い物はあらかじめ買う物を決めておく

    9.移動中はときどき目をつぶる

    眠りに落ちなくても、目から入ってくる情報をシャットアウトして外部からの刺激を減らすだけでも、疲れには効果があります。電車やバスでの移動中、病院の待合室など、目を軽く閉じて自律神経を休ませてあげましょう。

  • 夜は、眠りやすい環境をつくって、ゆったり

    脳の疲れをとるには、深く眠って脳を休ませることが一番。日が暮れたら、そのための準備をします。入浴は寝る1~2時間前にすませましょう。

    10.入浴は、ぬるめ(38~40度)のお風呂で半身浴

    熱い湯に肩まで浸かると交感神経が優位に。急に上がった体温や心拍を落ち着かせるために自律神経が疲弊します。自律神経に負荷をかけない入浴法は、ぬるめの湯で10分間の半身浴を。副交感神経が優位になり、寝付きがよくなります。

    11.白色灯よりオレンジ色の光で過ごす

    人間の脳はオレンジ色の光に対して「日が落ちるから眠ろう」と睡眠に向けた用意をはじめ、リラックスしていきます。家の照明は暖色の方が精神的に落ち着き、疲れには効果的です。一方でオフィスなどは太陽光に近い白色灯が向いています。

    11.白色灯よりオレンジ色の光で過ごす
  • 疲れたら「抗疲労成分」を食べて回復

    疲労回復には食生活も重要です。「鶏ムネ肉」が疲れに悩む人の“救世主”として、今注目されています。

    12. 鶏ムネ肉を食べる

    鶏ムネ肉には「イミダペプチド」という抗疲労成分がたっぷり。疲れを取るために必要な量は、1日200mgが基本。鶏ムネ肉100gに相当します。実験でも「食べ続けて疲労感が軽くなった」という結果が出ています。

    12. 鶏ムネ肉を食べる

    13.栄養ドリンクやスタミナ料理に頼り過ぎない

    栄養ドリンクに含まれるビタミンやタウリンなどは、疲労回復効果が実証されているわけではありません。アルコールやカフェインでの気分の高揚が「効いた」と思わせているだけです。肉やニンニク料理、ウナギなどスタミナ料理は、50代を過ぎた胃腸には負荷が重く、かえって疲れてしまうこともあるので要注意です。

  • 旅先で疲れないために

    旅を楽しむためにも、脳を疲れさせないちょっとしたコツを覚えておきましょう。

    14.新幹線は、通路側の座席を選ぶ

    車窓の景色を楽しむため、新幹線は窓側に座る人も多いかもしれませんが、疲れにくいのは通路側。対向車両とすれ違うたびに大きな気圧差があり、その影響を受けるのが窓側です。猛スピードで変わる景色が視界に入ることでも自律神経に大きな負荷が。トイレの我慢も疲れの原因になります。

    14.新幹線は、通路側の座席を選ぶ

    15.温泉旅行の入浴は1日2回まで

    温泉旅行に行くと1日に何回もお風呂に入ってしまいがちですが、これも疲れの原因に。温度差が自律神経に負荷をかけるため、熱い湯や露天風呂はそのときに「気持ちいい」と感じても、実際は疲れの原因をつくってしまっています。入浴は1日2回までにして、部屋でゆっくり休みましょう。

梶本修身(かじもと・おさみ)
1962(昭和37)年生まれ。東京疲労・睡眠クリニック院長。医師・医学博士。大阪市立大学大学院医学研究科疲労医学講座特任教授。2003年から産官学連携「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」統括責任者。主な著書に『すべての疲労は脳が原因1・2・3』(集英社新書)など。

※この記事は、「ハルメク」2018年2月号に掲載した記事を再編集しています。
取材・文=小林美香(編集部)
コンテンツ提供:ハルメク

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