【人生100年時代コラムVOL.95】あなたの食生活をチェック

腸にいい食品はどっち?腸専門医が教える新常識

2020/8/20

腸にいい食品はどっち?腸専門医が教える新常識

腸内環境の良しあしは、便秘や下痢はもちろん、肌荒れや肥満、さまざまなアレルギー症状、さらには動脈硬化やがんといった病気とも深い関係があることが明らかになっています。その腸内環境を整えるには、何を食べたらいいのでしょうか。まずは、クイズ形式でスタートです。さあ、腸にいいのは、どっち?

  • サラダを作るなら「レタス」か「サニーレタス」か?

    サラダを作るなら「レタス」か「サニーレタス」か?

    レタスとサニーレタスでは、腸内環境と深い関係がある食物繊維の量が違います。

    • レタス…100g当たり1.1g(水溶性0.1g/不溶性1.0g)
    • サニーレタス…100g当たり2.0g(水溶性0.6g/不溶性1.4g)

    水分を含みやすく、便秘解消効果の高い水溶性食物繊維の量からいっても、サニーレタスに軍配が上がります。

  • 果物を取るなら「生の果物」か「ドライフルーツ」か?

    果物を取るなら「生の果物」か「ドライフルーツ」か?

    果物から、腸内環境を改善してくれる食物繊維を多く取りたいと思ったら、生よりもドライフルーツの状態で食べる方が効率的です。例えば、干しブドウには生のブドウの8.2倍、乾燥バナナには生のバナナの6.4倍の食物繊維が含まれています。

    さらに、生よりもドライフルーツの方がカルシウムの含有量がアップ。カルシウムには腸内環境をよくする効果があります。またドライフルーツはよく噛む必要があるため肥満防止にもなります。

  • 魚を食べるなら「生の魚」か「焼き魚」か?

    魚を食べるなら「生の魚」か「焼き魚」か?

    アジやイワシなどの青魚やマグロやブリなどの油に主に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などの不飽和脂肪酸には、血栓防止や脳を活性化させる作用の他、大腸がんの抑制効果が期待されています。

    EPAやDHAを効率的に摂取するなら生の魚、つまりお刺身で食べるのがベスト。理想的な摂取量はEPAとDHAを合わせて1日約1gとされており、マグロ(中トロ)の刺身だと約1切れに相当します。

  • お肉を食べるなら「赤肉」か「白肉」か?

    お肉を食べるなら「赤肉」か「白肉」か?

    「赤肉」は、牛肉、豚肉、羊肉など、「白肉」は、鶏肉、魚肉などを指します。

    日本人男女約8万人を対象とした研究では、肉全体の摂取量が多いグループ(1日約100g以上)では男性の結腸がんのリスクが、赤肉の摂取量が多いグループ(1日約80g以上)では女性の結腸がんのリスクが高くなるとわかりました。

    また、世界各国の研究では「赤肉の摂取は大腸がんのリスク」という結果が出ています。腸のためには、赤肉より白肉がよいでしょう。

  • 漬物と納豆は腸にとって一石ニ鳥

    漬物と納豆は腸にとって一石ニ鳥

    「どっちでしょう」クイズ、いかがでしたか? 腸内環境を整えるには、善玉菌を増やす発酵食の他に「善玉菌のエサとなる食物繊維を取ることが大事」と、おおたけ消化器内科クリニック院長の大竹真一郎さんは言います。

    食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類がありますが、「水に溶けるとゲル状になって便を軟らかくする働きがあるのが水溶性食物繊維。この水溶性食物繊維が不足しがち」と指摘。オクラ、ワカメ、昆布、里イモなどのネバネバしたものや、キウイ、アボカド、リンゴ、バナナなどの果物は水溶性食物繊維が多く、おすすめの食材だそうです。

    さらに「漬物は野菜を発酵させて作っているので食物繊維も善玉菌も豊富で、腸にとっては一石二鳥。納豆も、善玉菌と食物繊維を一度に摂取できる腸にいい食品」と大竹さん。ただし、どちらも塩分過多になりやすいので、食べ過ぎには注意しましょう。

    一方、「欧米型の肉中心の食生活を送っていると、悪玉菌が増えて腸内環境が乱れやすいので要注意」と大竹さんは指摘します。動物性たんぱく質は65歳までは摂取し過ぎると死亡率がアップし、65歳以上は摂取した方が長生きするというデータがあるそうです。

    「最近は肉食を好む女性が増えていますが、便秘の人が多く、腸内環境を悪化させているようです。65歳までは肉はほどほどにして、大豆製品など植物性たんぱく質を積極的に食べることをおすすめします。その点からも、納豆は理想的といえるでしょう」とアドバイスします。日本伝統の発酵食で育ってきた私たち。あらためて、そのすばらしさを感じますね。上手に腸にいい食品を取りましょう。

おおたけ・しんいちろう

大竹真一郎(おおたけ・しんいちろう)
おおたけ消化器内科クリニック院長。1968(昭和43)年生まれ。神戸大学医学部卒業。消化器専門医として大腸内視鏡検査は通算1万回以上行う。2015年より現職。便秘などの腹部症状を中心に診察にあたる。『腸の「吸収と排出」が健康の10割』(ワニブックス刊)、『3週間ですっきり腸美人に生まれ変わる30の方法』(主婦の友社刊)など著書も多い。

※この記事は、「ハルメク」2016年9月号に掲載した記事を再編集しています。
取材・文=五十嵐香奈(ハルメク編集部)
コンテンツ提供:ハルメク

シェアしよう!